博士の理不尽な日常 外伝『ソフィアの日記』 2001/05/22


博士の理不尽な日常 外伝


うぃっすどうもー。毎度おなじみ(?)天災博士ことkeiで御座います
今日も平身低頭平謝りで頑張ります。
んで、今日のお話ですが、書いたの私じゃありませぬ。
どなたかともうしますと・・・ぐふふふふ。まぁ秘密としておきませうか(にやぁり)
とりあえず、初めて読まれる方のために
えと、バックナンバーを
KANNA様のHP
http://www.mitene.or.jp/~kanna/
及び
FEN様のHP
http://www.geocities.co.jp/Playtown-Toys/2267/
及び
YOU様のHP
http://www.rock.sannet.ne.jp/youhei/

にて転載していただいておりますー
まことに感謝です。
それでは参りましょう、外伝・・・どうぞです。

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…高い場所にある戸棚に手を伸ばそうとした時,脇腹に鈍い痛みを覚えて思わず
顔をしかめた。きっとまだしばらくは痛むのだろう。
「…ま、しょうがないわね。」
一人ごちて最近すっかり怠っていた自室の掃除を再開する。

博士の理不尽な日常 外伝『ソフィアの日記』


ここはシップRheaの少し寂しくなったソフィアの自宅。無事退院したのは良いが
特にすることも無く,仕方ないので今まで誰にも立ち入りさせなかった自室の
整理でも,と作業を始めてかれこれ一時間ほどが経っていた。
居間の方からはコーヒーの香ばしい香りがただよって来る。きっと成り行きで
相変わらず居候を決め込んでいるジャドがコーヒーを楽しんでいるのだろう。
ペディがいないので仕方なく自分でキッチンに立つジャドの憮然とした顔を思い出して
ひとしきりくすくすと喉の奥で思い出し笑いをした。
手際良く愛用のダブルセイバーの点検を終えると,次に趣味で集めている紙媒体の
"本"を置いてある本棚の整理にとりかかる。
と、まだ少し動かしにくい腕が触ったのだろう,ばさばさと何冊の本が棚から落ちて
床に散らばった。
「あらあら…」
つぶやいて拾おうと身をかがめた時,落ちた時に開いてしまったらしい一冊の分厚い
古ぼけたノートに目が止まった。
印刷された物ではなく,手書きで何事かが一ページづつかいてある。
「…懐かしい…そう言えば昔、日記なんて付けてたわね…」
椅子を引き出して腰掛けるとぱらぱらと最初の辺りのページをめくる。毎日つけるもの
と言うより,何かあったときの覚え書き程度に書きとめておく為の物らしく,日付が
あちこち飛んでいる。

4月8日
今日はとても楽しい一日でした。ペディちゃんと一緒にお昼作って皆さんとお昼にしたん
です。みんな美味しいって言ってくれたけど、ホントはほとんどペディちゃんにやっても
らったのでちょっと罪悪感。

「…流石にこの頃のは見るに耐えませんわね。恥ずかしいったらありはしませんわ。」
赤面してまたぱらぱらとページをめくる。と、すいと細い眉が顰められた。
忘れるはずも無い、ここは…

11月23日
何がなんだかわかりません。お父様とお母様が亡くなったと聞かされました。
そればかりか突然軍部に移転させられて…軍部の方からはケイオス博士の意向だと
教えていただきました。でも私にはどうしても本当に博士のお考えだとは思えません。
明日にでも直接博士に確かめに行こうと思います。

次のページに書き込まれている日付は3ヶ月ほど後の物だ。

2月4日
色々あってとても書ききれない。でも、軍部の厳重な調査でも彼らの残骸…とか,
遺体はとうとう発見されなかった。司法当局は当初,彼等が破壊的テロ活動を行なった
と疑ったようだ。この数ヶ月と言うもの、軍部の所属と言う立場を利用して彼等が
司法当局に手配されるような事が無いように、色々と思い出したくないようなあくどい
手段も使って手を回した。彼らは事故に巻き込まれた被害者で,行方不明と言うことに
なっているはずだ。ここまでしたんです。博士,ジャド,ペディちゃん,生きていて。
…死んでたりなんかしたら一生許しませんからね。

「あの頃は必死でしたわね…入所したばかりの軍研究所で…あんなのをかばおうと。
今思うとあまりに愚かでしたけど…」
はぁ,と溜息をつくとさらにぱらぱらとページを読み飛ばして行く。
読まなくても何があったかは覚えているから。
ジャドはすぐに発見された。が、何故か事故当時のメモリーが上手く再生出来無い
らしく,博士とペディの消息は尋ねても要領を得ない答えばかりだった。
残る博士達2人の消息を探る一方,博士が容疑者として捜査される事を押さえ込んだ。
さらにこれらをやりやすくするために軍部内で発言力の大きいポストをがむしゃらに
目指した。小娘が,と面と向かって罵られた事もあった。強引な手を使いすぎて
軍警察から目をつけられた事もあった。なりふり構ってはいられなかったし,
研究所内でひそひそと自分の事を冷たい女だとささやかれるのにもじきに慣れた。
でも,いつ頃からかこの日記には楽しい事が全く書かれないようになって。
いつのまにか,日記を書く習慣を全く無くしていた。
「それなのにあのヒトデナシ博士と来たら…人が心配してるのに連絡のたった一つも
よこさないで。生きてるなら生きてる,と一言メールする程度簡単だったでしょうに。
…突然アレでは誰だって怒りますわ。」

「酷い物ね,これは…船殻にまで被害が及んでるわね。」
まだ爆発の跡も生々しい事故現場。長い服の裾を気にしながら仔細に被害状況を調べて
回る。シップIO,第一ブロックで謎の爆発事故が起こったと言う知らせがあったのが
20分前。軍技術開発部門の責任者であるソフィアは技術者として被害状況を確認する為,
第一報があった直後に部下を数人連れてすぐに現地に向かっていた。
「事故現場はこの地下室ね。部屋その物がシェルター並の強度だったのかしら,船体に
まで突き抜けるほどの爆発なのに思ったより部屋は原型を留めてるわね…」
近くに部下を呼んでこの部屋の持ち主を調査するように手配させる。
と…足元に何かを踏んだような感触があった。
「記憶チップ…?形状からしてカメラ用の物ですわね…」
イオには、それも第一ブロックのような治安の良い場所柄、監視カメラを
設置しなければならないような建造物はほとんど無いはずである。
せいぜい軍部とか総督府の建物程度だろう。
引っかかる物を感じたソフィアは慎重にチップを懐に収めると,部下に後を任せて一人
開発所内の私室に戻った。
調べたばかりの被害状況を取り敢えず速報として提出できる形にまとめながら
慎重にチップについた埃やゴミを取り除き,読み取り機にかける。
読み取り機が半分溶けてしまったようなデータから必死に画像データを読み込む。
と、ノイズだらけの画面が映し出され始めた。どうやら先ほどの地下室の入り口らしき
扉が映し出されている。
「やっぱりデータは壊れかけていますわね…無理も無いですけど…え!?」
突然扉が開くと,画面に走るノイズのせいではっきりとは確認できないながら、
小太りのレイマー風の男が転がる様に走り出してきた。と、部屋の奥で激しい
フラッシュが閃く。次いで爆音。そしてレイキャシールがほとんど爆風に押される
ように半泣きで飛び出して来る。
そして次の瞬間,こちらに押し寄せる爆風を最後に記録はぷっつりと途切れた。
二人の姿が見えたのはほんの一瞬だったけど。見間違うはずも無い。
「ご無事…だったんですか…博士、ペディちゃん。」
何故か涙が出てきた。そして一息つくと猛烈に腹が立ってきた。
「博士に会ったらまず一発ビンタを張って…今までの愚痴,何がなんでも
聞いてもらいますわ。」
しかし彼女は知らない。2時間後,IOの居住ブロックでもう一件の爆発事故が起きる事を。
そして手元に届く「やぁソフィ、お元気でしたかな?唐突ですが今からそちらに
お邪魔しますぞ。」と言う一通のメールによって怒りが殺意に近い物に変わる事を。

ふぅ、と今日何度目かわからない溜息をつきながら,記憶をさ迷っていた意識を
現実に引き戻す。
「今思えば,アブソリュートセキュアで博士のあんな賭けに乗ったのが全ての道を
踏み外した原因だったのよねぇ…」 
言う割には唇の端が笑みを浮かべるのを押さえることが出来無い。
開いたままだった日記をパタンと閉じ,しっかりと本棚の奥にしまい込むと,
全く新しい新品の日記帳を取り出して広げる。
最初の何も書かれていない空白のページ。
真っ白なページを見ながら、この一冊は博士とペディが帰ってきたら始まるであろう
大騒ぎの日々を書き記していこうと思った。

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はい、いかがでしたでしょうか?詳しい事は執筆なされた本人から聞くとして・・・おっと、誰の著作かはもうわかりましたよねw
私からこの場を借りて、感想のレスをば・・・
私にはキャラを滅茶苦茶にする事は出来ましても、一人を取り出して丁寧に扱っていく事は出来ませぬ。私の駄文を見ていただくと良くわかるのですが、実に破壊的ですsよね。それに対して、おこがましくもこの作品を比較させていただけば、実に実に、キャラクターを生かせてることが分かると思います。先日のジャド君といい・・・なんだか皆様、私が書くより上手いじゃないですか。私のなんて本当いいとこなしですよ。ぐっすし(−−;
・・とと、恨み言を書き連ねてしまいました反省反省。
まぁ、なんと言いますか。物書きの端くれの端っこの最底辺に必至こいてぶら下がってるだけの私から見るとまるで神のようだということです。
文章全体のまとまりの良さとか、テンポや読んでいたいと思わせる文章、それに素晴らしい読後感とか、文句のつけようがありません。今後も、キャラごとに書いてもらおうかなぁ・・・。いっそのことそっちを本編にして、わたしのをおまけにしようかなぁw
<kei>

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Sophia 2001/05/22


と,言うわけで…
すこし、私の視点でまとめみたいな物を書いて見ました。
自分で見るとあちこちにアラが見えて恥ずかしい限りですが…
ご感想、ご批判頂ければ幸いです。
Keiさんからは過分なほど誉めていただきましたが…
まだまだ勢いというか、私の文章にはテンポが足りませんね(^^;;

と,言うわけでやはり本編はKeiさんにお任せしますね(w


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