―――――――――――――――――――――――――――――― 無責任番外編・さらに番外 作者注 くれぐれも本気(マジ)にとらないでください。 シャレで済ませてくださる方のみお読みいただきたく思います。 ――――――――――――――――――――――――――――――  リアラはその腕の中に、最愛の者を抱きしめていた。  想いは、聞き届けられた。  求めてやまなかった、“彼”の対なるもの―――美しいすみれ色の夢魔は、今、“彼”だけのものになる ことを承諾してくれた。 「好きだ……ナイツ」  リアラは囁いて、華奢な身体をより近く引き寄せた。 「リアラ……」  ナイツは泣き出しそうなせつない瞳で、たくましい胸に頬を寄せる。  リアラは自分の眼が熱くなるのを感じた。  泣きたくなるほどの幸せがあることを、“彼”はその永い生命の中で初めて実感していた。 「ナイツ」  “彼”は熱っぽく囁いて、ナイツの薔薇色のベストに手をかける。  “意識”の中の“力”を触れあわせるのに、必要な行為ではない。口づけ一つ、あるいはただ手を握りあ うだけでも事足りる。  けれどリアラは抱きしめたかった。何にも遮られずに、愛する者の存在を確かめてみたかった。 「ね…ねえ、リアラ……」  ナイツは“彼”の紫色の衣装の襟をリアラの鈎爪がそっと広げたとき、溜息のように囁いた。 「大丈夫だ……なにも怖がらなくていい」  ゆっくりと折り重なって倒れ込みながら、リアラは優しく囁き返す。  それでもナイツはけんめいに続けた。 「あのさ……あのさ、リアラ………」 「ん?」  ナイツの身体のぬくもりをとても幸福に感じながら、リアラはうっとりと聞き返した。 「卵はお前が産んでよね♪」 「へっ?????」  三日後。 「は〜い、よしよし。オレがパパだよ〜♪」  ナイツは心底幸せそうに、小さな毛布のおくるみをあやしていた。  包みの中から、もみじのように小さなかぎ爪の手が、嬉しそうに伸ばされる。 「それでさ、リアラ。この子、なんて名前にしようか?」 「ああッ違うッ!!幸せだけど、何かが違うううッッ!!」  部下一同からの祝いの品が山をなす中で、リアラは頭を抱えて混乱していた。 おしまい。 ______________________________________________________________________________________________ R:「何じゃこれわあぁぁぁぁっっっっっ!!」 (どげしいぃぃぃっっっ!!!!!!) いや、だから、くれぐれも冗談ですって。 M.D.F.L.2で「個人的に卵が出来て欲しかった」というご感想をいただいたので… えーと……… すまん、私が悪かった。m(_ _)m H.11.12.20. FEN.