博士の理不尽な日常、番外編2 kei


はい。どうもこんばむわ。
先日続けざまに3回ロストしてその勢いで6話かいたら酷い事酷い事・・・ってな具合のkeiでございまする。
今回は、沢山の方々の優しさに触れて心底感動した勢いで書きます。
沢山のアイテムを下さった貴方、一緒に潜ってあいてむさがしをてつだってくださったあの娘、微妙に突っ込んでくれたロスと仲間ジャド君w
みんなありがとー(><)

またいっしょに潜りませう。楽しいひと時をありがたう。

えと、そんなわけで番外編です。
今までのお話は
http://pso.dricas.ne.jp/bbs/p/pso/453/fjbcrx/index.html
http://pso.dricas.ne.jp/bbs/p/pso/458/maohie/maohie.html
に5,6話がございます。

尚それ以前の駄文は
KANNA様のHP
http://www.mitene.or.jp/~kanna/
に掲載させていただいております。大変ありがたいことでありまする

それでわ

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「ではペディ、始めますよ。」
そう言うとケイはペディのうなじに手を当てる。
ペディは自分の意識が体から切り離されるのを感じた。
「・・・では、おやすみなさい。」
ケイのその声を最後にペディの意識は完全にブラックアウトするのだった。

博士の理不尽な日常。
番外編2「エレキ・ドリーム」

ペディの部屋からケイが出てくる。
「あら博士、メンテはやらないのですか?」
ソフィが読みかけの雑誌を其のまま膝におくとケイに聞いた。
「えぇ。もっとも私はってこと・・・ですがね。」
「博士がやらないですって? では一体誰が・・・。」
ソフィは雑誌を読むためにかけていた眼鏡をはずすとケイに当然の疑問をぶつける。
「ペディ自身ですよ。今日はボディのメンテではありませんからね。」
「・・・それってどういう・・・?」
「ぐふふふふ。気になりますかな何なら私が手取り足取りメンテのいろはをご教授いたしますぞ。」
そう言うとケイはソフィにズイっと詰め寄る。
「さぁ、いざ、是非!!」

・・・

「・・・それでは少し買い物に行ってまいります。」
「あら、外出ですか。・・・珍しいですね。それに、ペディもほっといたままで・・・。」
「何、ペディなら大丈夫。停電がおきたって大丈夫なようにしてあります。では、行ってきますよ・・・。」
そう言うとケイは、頭にセイバーを突き刺したまま、ふらふらと玄関を後にした。
「本当に行っちゃったわねぇ。薄情なんだから・・・。」
そう言うとソフィは、雑誌をまた読み始めた。
が、数分後。
ぱたん、と雑誌を閉じると眼鏡をはずしソフィはキッチンを物色し始める。
「べ、別に悪い事じゃないのよソフィ。パイオニア2のいきすぎた管理がいけないのよ。何も博士みたいに変なもの食べるわけじゃないし・・・気にする必要ないのよ?」
そう自分に言い聞かせると、ソフィはキッチンのカウンターの前できょろきょろとあたりを伺う。
ジャドは仕事で留守である。博士もさっき出かけた。
「うふふふふ♪ やっぱりこれよねぇ・・・。」
カウンターの隠し戸棚を空けると、そこには大量の焼き芋が保存してあり、ソフィは一つを手に取ると無心に食べ始めた。
「あ〜ん。人にはこの姿見せられないわぁ。」
そう言いながらもりもり食べる。
戸棚の中の焼き芋は凄い勢いで消費されていき、最初100はあろうかと思われたそれらが、いつのまにやら10本足らずになっていた。
「ん〜。どうしよ〜。もぉやめた方がいいわよねぇ・・・。じゃぁ後一本にしましょ♪」
何度目かのその科白の後に、結局戸棚の中身は空っぽになる。
「あらいやだわ。またラグオルから密輸しなきゃ・・・持ってくるの大変なのよねぇ。」
と、ペディの部屋で物音がした。
びくりっと硬直するソフィ。
「ち、違うのよペディ!私は何も悪くないわ! 全ては・・・そう、世界平和のためなのよ!!!」
意味不明な言い訳をするソフィ。だが、ペディからは何の返事も無い。
「・・・ペディ?」
そうっと後ろを振り返るソフィ。
後ろにはペディの姿は無い。
ソフィはそろそろと、ペディの部屋の前まで行く。
「ペディ?入っちゃうわよぉ?」
部屋の中に一声かけるとソフィはペディの部屋へはいっていった。
「・・・なによ。やっぱり寝てるじゃない。吃驚させるんだから。」
そういうと、部屋の中央で座るペディを見る。
薄緑色のコードで、大型のコンピューターにつながれたペディはぴくりとも動かない。
かわりに、コンピューターがせわしなく動いていた。
「なるほど。ボディのメンテじゃないってこういうことだったのね。」
そういうと、ソフィはディスプレイを高速で流れていく文字列を眺める。
「やっぱり、一時的とはいえ博士を失ったのは相当ショックだったようね。メンタルコードにコンナ沢山のにエラー出しちゃって。」
ふぅっと溜息をつくとソフィはペディの頭をひと撫でして立ち上がる。
「じゃぁね。いい夢見るのよ。」
ソフィはそう言うと部屋から出て行くのであった。

・・・

「ここ・・・は?」
ペディはあたりをきょろきょろ見回す。
そこは、電脳のデータの海。ペディの記憶の中そのものである。
「そうでした・・・私、メンテの最中でした。」
ぽんっと手を打つとペディは自分のシステムの破損個所を探す。
明るい色彩の中、一箇所だけ黒くくすんだそこは、すぐに見つかった。
「さてと、修復ですっ。」
ペディはその黒い空間のなかのひときわ暗い部分に腕を突っ込むと、そこに集中する。
それは、この間の悲しい記憶。
(私を失った絶望、虚無感。そういったものが、システム全体に悪影響を与えている。だから其れを、自分の力で克服するのです。)
ペディは博士の言葉を反芻すると、腕の先に集中する。
(これは、ペディが心をもっている証拠なのです。つまり『落ち込んでる』ってことですな。そして・・・)
「自分の力で立ち直りなさい・・・って言われましても。どうすれば良いんでしょう。」
そう言うとペディは、メモリーの闇に突っ込んでいた腕を引っ張り出し、あたりをきょろきょろと眺めはじめた。
「あれは・・・?」
そういうと、不思議な色をしたひとつのメモリーに触れる。
と、日付とともにペディの記憶が蘇った。

・・・

ちょうど一年前の夜。
その日は、パイオニア2がアステロイドを通過する日であった。
もちろん危険など余り無いはずだが、気をつけるに越した事は無いから・・・と、ケイは言い残しペディを残して一人で出かけていった。
「博士遅いですねぇ」
ペディは今日と同じようにメンテナンスの台につながれて、システムの復旧をしていた。
とはいえ、その時はただの定期メンテでどこが悪いとかそういう事ではなく。システムの巡回をコンピューターに自動的にさせたら終わりと言ったものであった。
「一体どこにいったんだろ。」
ぼぅーっと窓から隕石郡を眺めていたペディの後ろでドアが空く。
「博士ぇお帰りなさいー。」
コードにつながれたままペディが振り向く。
しかしそこにいたのは、ケイではなく見慣れぬ男。手にはハンドガンを持ち、その双眸は狂気に彩られていた。
「おい。お前のマスターはどうした?」
男はそう言うと、ハンドガンをペディーへと向ける。
「あ、あの博士は出かけて居ません。お願いですから銃を収めてください!」
ペディはそう言って立ち上がろうとする。が、メンテ中の彼女には体の自由は無い。
「何だお前、メンテ中で動けないのか。ケケケ・・・。」
そう言うとその男はハンドガンを一発二発とペディに打ち込む。
きゅいん!と甲高い音を立てて弾がはじけペディはその反動で倒れこんだ。
「な、何をなさるんですか・・・! 一体私が何をしたというんですか?!」
「何もしちゃいねぇさ。ただ、コンナいい所に棲んでるんだ、俺みたいな貧乏人に金を少し分けてもらおうと思ってよう!」
そういうと、さらに動けないペディに向かって弾を打ち込む。
「ただ・・・木偶しか居ないんじゃ意味ねぇな。折角アステロイドのおかげでテレポーターが止まってるって言うのによぉ。」
「え、其れはどういうことですか?」
「あぁん?何勝手に口聞いてんだ!」
そう言うとペディの元に男は近づいてきて見下しながら言った。
「まぁ、最後だし教えてやらぁ。俺の仲間がよう、シップの外へ小型船で出てアステロイドを一個捕まえてきてパイオニア2にぶつけたってわけよ。」
ペディの頭を踏みつける男。
「それで、テレポーターのシステムをダウンさせてここら一帯を他から行き来できないように切り離したんだよ。何人かは転送中のエラーで消えちまったかもな。」
そう言うと男はケケケと笑い、ペディを思い切り蹴飛ばす。
壁際までペディが吹き飛ばされる。
ちぎれるコード。ペディはシステムエラーで意識が遠のくのを感じた。
(博士・・・助け・・・て・・・)

・・・

30分後。ペディは再起動されて、気が付いた。
どうやら記憶の幾つかがデリートされてしまったらしい。
目の前に居る人間が誰だかわからない。その人間の後ろでは男が一人ぼろ雑巾のようになって伸びている。
「ほ・・・とうに・・・るいことを・・・た。ゆるし・・・れ・・・。」
目の前の人間の言っている事が良くわからない。
どうやら音声認識が壊れてしまったらしい。
目の前の男はペディの手を取ると、握り締める。
「かなら・・・わたしがなお・・・から・・・。」

・・・

それからどれ位たったろうか、ペディはシステムエラーを改善されて目を覚ました。
「気が付きましたかペディ!」
ケイがペディに走りよる。
「私は誰だかわかるかね?私の言っている事は分かるかね?」
こくんと頷くペディ。
「そうか、良かった。」
そういうと、ケイは床に其のままへたり込む。見れば随分ボロボロのカッコである。
「ん?あぁ。確かに酷いカッコですな。いやなに、少し事故に遭いましてね。テレポーターが急に止まりまして。何とかパーソナルの損失は免れましたよ。・・・しかし流石に疲れました・・・な。」
そういうとケイはその場で意識を失った。
「博士ぇ?しっかりなさってください!」
ペディが博士をゆする。と、博士の手から小さな包みが落ちた。ずっと持っていたようである。
きれいに包装された其れには、小さなカードが挟まっていた。

Happy Birthday ペディ
今日でペディが目覚めてからちょうど一年目ですな。
でも実はエンサイクロペディアの本当の誕生日は今日ではないのです。
けれども、「ペディ」の誕生日は間違いなく今日です。
ペディの自我は常にペディの記憶とともにあります。
其れが例えどんな記憶であったとしても、安易にデリートしたら許しません。
其れも自分の一部として受け入れ、乗り越え、いい思い出に代えるのです。
ペディなら出来ます。
なんといいましても、私の自慢の助手ですからな。

・・・

ペディは目を覚ました。自分でうなじのコードを抜くと、居間に行く。
「あらペディ。終わったの?早かったわねぇ?」
「はい〜。博士のおかげですー。あら?ソフィ様、口の周りに何かついてますよぉ?」
ソフィの顔から血の気がさぁっと引く。
「あ、あら嫌だわ。おほほほほほほほ。決してお芋なんて食べてないわよぉ!?」
もうこれでもかってくらいに慌てふためき冷や汗をかきながら、全てを自白するソフィ。
「・・・??」
しかし、鈍感ペディはわけもわからず笑顔で首をかしげるのであった。
「戻ったぞ。」
「帰りましたぞ。」
玄関からジャドとケイの声がする。
「おかえりなさいませー。」
そういうと、ペディは小包を抱えたケイの元へとてとてと走っていくのであった。

番外編2おしまひ

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えと、いかがでしたでしょう番外編。
いつもとちと違う感じでやりました。書いてて面白かったですw
あとそれから一つ謝らなければならない事が・・・
実は、前回のご感想にレスを付けたいのですが、何故かあるページ以前のページにいけなくなっていて・・・
この場を借りまして、お礼とお詫びをさせていただきます。
えとそれでは、感想お待ちしています。
あ、あとロスとした博士への応援も・・・・あ、あ、石なげんといて〜
冗談だから、まに受けたら嫌なんですw


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